• 【ワークハピネス 】吉村 慎吾

引退してわかったこと

私、実は事情があって数年前、2年間、会社に来ることをやめました。疑似引退です。

毎日暇ですから、ゴルフ、サーフィン、ワインスクール、シナリオスクール等、前からちょっと興味のあった事を端から全部初めてみました。


思いたったら海外旅行に出かけて、1年の半分近くをハワイで過ごしたり。自由に興味があることだけを探求しまくった2年間。

その最大の学びは何だと思います?


最大の学びは、、、「仕事が一番楽しい」ということです。


仕事を達成したときに得られるものは?


「ワークハピネスを増やす!」というミッションを掲げる会社の創業者が、2年間もフラフラしてたどり着いた結論が、「仕事が一番楽しい」では、間抜けでお叱りを受けそうですが、これご本当に最大の収穫だったのです。


仲の良い経営者にこの話をしたら、「そんなの当たり前だろ!」と大笑いされました。

「魚は水のありがたさがわからない」といいますが、私も仕事を失うまで、仕事のありがたさが骨身に染みていませんでした。


これ、多くのビジネスパーソンが見逃している真実だと思います。

仕事には嫌なこと、辛いことも多いと思いますが、実は、私たちは仕事からお金以外の多くの満足を得ているのです。


好き勝手やっていた、2年間、しばしば平日のゴルフ場に行きました。平日のゴルフ場にはビジネスの世界では出会えなかった大変に興味深い様々な事情のお金持ちさんたちがいました。


若い時に大金を稼いで早々と引退してゴルフを悠々自適にやっている人は、実年齢以上に老け込んで見えました。覇気が無いのです。一方で、忙しく働く中で、暇をぬってゴルフをしている方は本当に楽しそうで覇気に溢れていました。


強靭な体力で世界中を飛び回っていたビジネスパーソンが定年退職と同時に一気に老け込んで身体を壊したなんて話をよく聞きます。責任ある仕事は人間に多くの活力を与えるのです。

なぜ、「仕事が一番楽しい」のか?それは、人間が一番求めるのは存在意義です。


仕事を別の言葉で表現すると「誰かに貢献して対価としてお金をもらう」です。「誰かに貢献して対価としてお金をもらう」というのは非常にわかりやすい存在意義の実感なのです。


花を育てる、犬を飼う、お年寄りに席を譲る等でも存在意義は感じられます。ただ、充実感が乏しいのです。なぜなら、自分の持っている一部の能力しか使ってないからです。


仕事は全人格的な格闘です。全能力を使って誰かに貢献して対価を得る事はこの上ない存在意義の確認で、本当に嬉しい事なのです。


マズローの欲求5段解説によれば、「承認欲求」の上に「自己実現欲求」がありますが、両者は密接不可分な関係です。優れたアーティストや研究者は、「自己実現欲求」に突き動かされていますが、同時にその作品や研究成果が世に認められて金銭的に報われる事も欲します。


お金をいただくからには責任やプレッシャーが伴います。その適度な緊張感が脳と身体を活性化させます。プレッシャーと苦悩があるから、仕事を達成した時、大きな喜びと解放があるのです。


ワークハピネスの仲間から「大きな仕事を受注して泣けた!」という話を聞くと、心の底から「よかったね!」と嬉しくなります。同時に「心身ともに打ち込んだ大きな仕事を失注して泣いた!」という話を聞くと「残念だったね」と慰めると同時に、失注して泣けるほど打ち込める仕事がある事を羨ましくも思います。


余暇や遊びじゃなかなか泣けないです。


私がどんなにゴルフに打ち込んでも、自己満足でしかありません。日々の練習でスコアを伸ばしてもお金はもらえないし、一緒に心から喜んでくれる仲間もいません。


今、欧米のミレニアル世代を中心に”FIRE( Financial Independence, Retire Early )” という、早期退職を目指すライフスタイルがブームとなっていますが、以前の”アーリーリタイヤ”願望と違うのが、早期に経済的に独立する事で、生活のための”ライスワーク”から解放されて”ライフワーク”を追求できる人生を目指そうという点です。


人間は社会的な生き物なので、社会との繋がりの中で喜びを増大させます。自己実現と社会貢献が両立する”ライフワーク”を持っていることが人にとって一番の喜びだと、今確信しています。


今回の疑似引退からの学びを生かし、私は今後、一生引退はしません。老害になっては周囲に申し訳ないので、形を変えながら置かれた環境にフィットした”ライフワーク”を死ぬまで追いかけたいと思います。


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