• 【ワークハピネス 】吉村 慎吾

「学習性無力感」からの脱却

16年前に老舗ホテルの再生に成功して以来、金融機関やファンドから事業再生支援の依頼が来るようになりました。

私たちが重視していたのは現場のアイデアをたくさん拾い上げること。

どんな依頼を頂いても最初のアクションは現場ヒアリングです。


ある日、いつもの様に企業の現場に入り込んでヒアリングをしていて、大変ショックな体験をしました。


現場のどこに話を聞いても会社や職場を良くするアイディアが無いのです。


それは部長クラスであっても同様。

「この会社を良くするために何が必要ですか?」

という質問に対する回答が

みんな一様に「わかりません」

たまにアイデアが出てきても「???」というとんちんかんなものばかり。

経歴を尋ねると一流大学を卒業してそれなりの成果も生み出してきた、かつては大変優秀な方だったことが推測される人物。

そんな方が、一言でいえば「思考停止状態」。


なぜ、優秀だったはずの人々がこんなゾンビのような状態になってしまったのか?


その会社は、かつては流通系の雄として一世を風靡しました。ところが、バブル崩壊で債務超過となり、度重なるリストラを実施。オーナーも経営者も数度にわたってチェンジするも一向に再生しませんでした。

経営の混乱の中で従業員の方々も環境に翻弄され続けてきた事が予想されます。

自分が動いても何も変わらない。考えたところで仕方がない。こういう体験を繰り返すと、人は自分の精神状態を守るために考えることを止めるのです。

「無力でちっぽけな自分」という事実を突きつけられるのは辛いことです。半径5メーター以内の自分が変えられること以外を考えないようにすることによって自分の自己肯定感を保つのです。

置かれた環境によって優秀でやる気のあった人間が別人になってしまう衝撃。他人事とは思えませんでした。


ここで学んだことが「学習性無力感」という概念です。

自分も彼らと同じ環境に閉じ込められたら無意識に「学習性無力感」を習得するでしょう。今までの幸運に感謝しました。


時は下ってそれから4〜5年後。ワークハピネスの国際化を模索していた私は、海外進出先の調査のため、上海で多くの日系企業を訪ねていました。

行く先々で聞いた中国労働市場の特徴。

「この国の50歳以上の人はすべからく指示待ち族です。自分で考えたりする事が無いんです。」

理由は文化大革命の経験だとか。

自分の思想を持って、それを表現すると逮捕され強制労働、酷い場合には死刑になることもありました。この環境を生き抜くために彼らは自分で考えることを積極的に止めたのです。

生きるために積極的に身につけた「学習性無力感」。

人間のDNAが変わったわけではありません。教育と環境が人を変えたのです。


「学習性無力感」に支配されている組織をどうやって活性化するか?


その答えも教育と環境です。


自分が考えれば何か役に立つ。自分が動けば会社は変わる。

そんな体験を何度か繰り返すと人はまた活発性を取り戻します。


会社がうまくいかない時、それは従業員の問題ではなく、環境の問題なのです。


経営者の仕事は、従業員が活発であり続ける環境を整える事です。


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